居合とは、日本刀を鞘に納めた状態から、敵の不意の攻撃に対して、臨機応変に応じてきを制する業を学ぶ武道です。実際に敵と切り合うわけではなく、様々な状況の仮想敵を想定した技(型)を修行することで、心身を鍛える日本の伝統文化です。
1600年頃に林崎甚助重信公が神夢想林崎流を興したことが居合の始まりといわれ、隆盛時には500もの流派が存在したとの説もあります。現在では数は少なくなりましたが、未だに様々な流派が受け継がれています。
昔から居合の最終目的は、刀を抜かずに勝ちを収めることと言われており、刀を手にして修練を重ねていくことで「自分から抜かない」「相手に刀を抜かせない」という境地を目指しています。現代の平和な日本では、刀で切る業を学ぶことは時代錯誤と思われるかもしれませんが、修行で培った健康な体と精神性を日常生活の場に生かしていくことに、修行の意義があると言えます。
日本の伝統文化としての居合の魅力に惹かれ、男女を10代から80代まで、国内だけでなく海外にも多くの愛好家がいます。